角谷吉崇 さんたまきの笑顔通信
古来から続くしめ縄作り
父から学んだ伝統を絶やさず、守り続けたい
角谷吉崇 (カドヤヨシタカ)さん
しめなわの有限会社 角谷産業 代表取締役
しめ縄の製造、販売をしている。
古来の文化・製法を守り続け、材料の藁(わら)になる稲の栽培から商品の製造まで
自社で一貫して行い、丈夫で美しいしめ縄を販売している。
父の背中を見て抱いた責任感と義務感
幼少期に父の背中を見てしめ縄作りの後を継ぎたいと思いました。この辺りの地域では一年中玄関にしめ縄を飾ることから、40~50年前は伊勢市や玉城町、多気町に80軒ほどの生産者がいましたが、現在は10軒ほどに減っています。近い将来には数軒になってしまいます。このしめ縄文化を継承し、伝統を守りつづけていく責任感と義務感を抱き、この仕事を続けていくために父からしめ縄作りを学び継ぎました。しめ縄を通して人が喜ぶ顔を見たいと思いながら、しめ縄を作っています。
光栄なこと
2008年に当時の皇太子様(現天皇陛下)に角谷産業のしめ縄を見に来ていただいたこと。私はまだ見習いでしたが、そのことがとても光栄で一番印象に残っています。
いくつもの笑顔になる瞬間が幸せ!
日々の何気ない子供との会話、子供と遊ぶ時間や祭り事への参加の時が笑顔になります。ふらっとバイクでコーヒーを買いに行く、この気晴らしの時間も笑顔になります。それと、弊社にしかできない仕事を頼まれ、そのしめ縄が完成した時、笑顔になりますね。全国の神社などから注文をいただくのですが、それぞれ神社によってしめ縄の長さや太さが全部違うので、その都度要望に応じて特注で作っています。この仕事は年中無休、その中でも12月が一番の繁忙期。大晦日の夜、今年一年の仕事から解放された時は最高ですね。
しめ縄の存在
伊勢地方は、一年中しめ縄を玄関に飾る、私たちはそう育ってきました。一年中欠かさずある生活の一部だと思っています。
たくさんの人に笑顔と幸せを届けたい
多くを求めると心配事も増えるので今のままで充分ですが、子供がもっと外で遊びたくなるような施設が欲しいとは思います。
しめ縄作りは、古来から続く仕事。次の世代でも絶やすことのないよう続けていきたいですね。これから先もみなさんが新しいしめ縄を玄関に飾り、笑顔で新年を迎えられるよう、できる範囲でしめ縄作りを頑張りたいと思います。